実は、クロージングと言うと、最後の最後に言う言葉だと
思っている人が多いんじゃないか?って、思います。
それは、大きな間違えなんです。
出来れば、アプローチがクロージングになるのが、
最高の営業トークです!
この話は何度も話しているので、
古い読者には、耳タコだと思いますが、
魚の行商のおばさんのトークが凄いんです。
私は、島根県松江市出身です。
子供の頃、毎日のように魚の行商のおばさんが回っていました。
ごく当たり前の風景でしたが、営業を始めてクロージングを意識して
はじめてこのおばさんのトークの凄さが分かったんです。
まあ、田舎なので誰も玄関のカギを締めません。
おばさんは、勝手に玄関を開けて、
『今日は、なにんす~ね!』とオッキな声で言います。
通訳すると、「今日は、何にされますか?」です。
どうですか?
素晴らしいトークです。
アプローチがクロージングになっています!
まあ、我々が飛び込みで同じアプローチはできません!
ただ、ヤクルトのおばさんは可能です。
「今日は何にしますか?」
どうですか?
凄いって思いませんか?
このトークは買うのが当然!で、
どれにするか?という選択を客に迫っています。
しかも、自分が売込みに行っているにもかかわらずです!
この凄さは、普通のトークと比較しないと分からないでしょう。
「こんにちは、ヤクルトですが、」
「ヤクルトはいかがですか?」
こんなトークが普通だと思います。
このトークの場合、「NO」が出やすいです。
「こんにちは、ヤクルトですが、」→「今日はいいや」
「ヤクルトはいかがですか?」→「コーヒー飲んでるから」
などなど、
それに対して、
「今日は何にしますか?」→「どれにしようかなぁ?」って、
なりますよね?!
営業のトークというのは、ほんの短いトークでも、
決まるか?決まらないか?確率が大きく変わるものです。
まあ、「アプローチ=クロージング」は少し特殊ですが、
クロージングは商談の初期でも必要だという話しです。
世間一般は、この商談初期のクロージングを「テスクロ」と呼びます。
「テストクロージング」ですが、実は、同じクロージングです。
テスクロで決まれば、それが、クロージングだからです。
どのタイミングで、決まるかはお客様次第なので、
分からないから、私はテスクロというより、
軽めのクロージングと考えています。
では、どのタイミングでクロージングをすれば良いのか?
まさか、魚の行商のおばさんやヤクルトのおばさんのように、
アプローチでクロージングをするわけには行きません。
基本は、お客さんの「小さなYES」言い換えると、
「買い気配」を感じた瞬間です。
「それいいね!」とか、
「へぇ~」とか、
「マジで!」とか、
YESがでたら、即、クロージングをかけます。
「それいいね!」→「来週持ってきましょうか?」
「へぇ~」→「何台にします?」
「マジで!」→「やるなら小さいのと大きいのどっちにします?」
と、軽めのクロージングを即かけるのです。
それで、そのまま決まる場合もあれば、
「まだやるとは言ってないよ」と言われる場合もあります。
気にしないで、話しを進めれば良いだけです!
私の場合は、基本相手が決裁者の場合は、
何度も気にせずクロージングをかけます。
もちろん、YESの後に即です!
いろいろやってクロージングには、
いくつか手法があるのが分かってきました。
最も重要なポイントは、『今決める』ということ。
言い換えると、焦らせるようにすることです。
人間は、決断を先延ばしする傾向があります。
まあ、お客様が欲しい商品なら別ですが、
現状に満足している場合や、今すぐやる理由が無い場合など、
即断即決を嫌います。
ただ、商談にあたって人間には「恐怖心」があります。
この恐怖心は2つです。
1.騙されるかも知れないという恐怖心
2.今買わないと損をするかもしれないという恐怖心
つまり、『機会損失の恐怖心』です。
営業を行う場合には、1を取り除き、
2を与える必要があります!
信頼され、1の恐怖心を取り除きます。
そして、今がチャンスだと思わせることが非常に重要なんです!
というか、即決をする場合には不可欠な要素です。
「今だけこの価格です」
「わかりました。今日契約してもらえたらそれサービスします」
「十日締めなんで今日だけの特価なんです」
「今日印鑑もらえたら上司に決済取ります」
などなど、2の恐怖心を煽ることで、
契約を迫るというクロージングが即決を生みます。
次に、最強のクロージングをいろいろやって見つけ出しました。
それが、『契約書を書く』です。
これは、たまたまなんですが、立て続けに3枚契約書を破られた結果、
見つけ出した最強のクロージング手法です!
まあ、威張るほどのものじゃないんですが、
営業をスタートして半年ほど経った頃、
私の直属の上司から教わった?というか、盗んだものです。
この直属の上司は一切部下に営業を教えない上司でした。
ただ、怒るだけ!
そのくせ、当時、日本で一番ビジネスホンを売っていた
バケモノのような営業マンでした!
どうやって売るのか知りたくて、
わざと下手くそなトーク練習をその上司の近くでやっていたら、
いつものようにキレて怒鳴りながら、
「だから、テメぇ~は売れねぇ~んだ!」と言って、
あるコツを教えてくれました。
それをそのまま真似たら、翌日、立て続けに3件契約書をもらえました。
まだ、月に2~3件しか取れなかった私がです!
ただ、3件とも、その場で契約書を破られました!(笑)…
上司曰く、
「契約書は先に貰え、料金は後で詰めればイイ」でした!
そのまま実行して、契約書までは行きました。
でも、料金が私では詰めれなかった!結果、破られたんです。
これが、「契約書って道具だ!」って分かった瞬間でした。
まあ、私には料金を後で詰める様な芸当はできませんでしたが、
契約書を道具に使うことは出来るようになりました。
料金提示までしたら、そのまま書類を出して、
「ゴム印と代表印をいただけますか?」と言って、
契約書を書き始めます。
もちろん、「決まるな!」って臭った時です。
それからは、私のクロージングは、最後は「書類を書く」が当たり前になり、
ほぼ、外したことは無いです。
次に、軽めのクロージングとして使うのが、
・工事日を決める
「やるなら、来週の何曜日がいいですか?」とか、
「このエリアの工事が〇日~〇日ですが、何日にしますか?」など。
・在庫を確認する
会社に電話して(フリをして)「あの特価のヤツ後何台ですか?エッ2台だけ?」
とか、「今日なら、今月導入可能ですか」など。、
・選択させる
「やるなら、壁掛けにしますか?コードレスにしますか?」
「白と黒がありますが、どっちにしときますか?」など。
こういうのをよく使っています。
この軽めのクロージングで、そのまま決まるケースもありますし、
そこから、料金に流れる場合もあります。
最後に、金額提示のクロージングに関して話します。
料金提示もクロージングにつながる重要な要素です。
まず、金額は、最後に提示するというのが原則です。
お客様にベネフィットを伝えるのが先です、金額は後です。
非常に重要なんですが、これを理解していない営業マンが多いです。
ベネフィットを伝える前は、どんなに聞かれても言ってはダメです。
理由は、金額で判断するからです。
ベネフィットと金額の天秤にしないとダメなのに、
金額だけの判断になります。
これでは、無意味なんです。
たまに、お客様に聞かれて言ってしまう営業マンがいますが、
だいたいその場で撃沈してしまいます。
これは絶対にダメなんです。
少なくても、お客様にベネフィットを伝えて「YES」を取ってから、
即クロージングして、決まる流れになってから料金提示をします。
この料金提示もクロージングの中で大きな要素です!
「安い!」
「お得!」
「今だけ!」
そういうふうに感じさせることができるような、
料金提示を行う必要があるのです。
料金提示一つとっても、シナリオというか、
作り込みが必要なんです!
それを、何も考えずに、○○円です!って、やるバカがいますが、
ダメダメです!
細心の注意を必要とするのが、
実は、料金提示の場面なんです。
分かり易い例としては、テレビショッピングを見れば良く分かるでしょう!
料金提示を1回で終わらせません。
通常、○○円。
今回特別に、○○円。
それだけじゃないんです!
今回は、プラス○○がついて据え置きの○○円でご提供!
台数に限りがございます!
お急ぎください!
こういう、ドラマを作り込んでいます。
だから、不要なものをまた買ってしまうんです。
人間は、感情の動物です。
購買行為は、感情です。
『欲しい!』から買うのです!
この欲しい!って思わせる重要なファクターが料金なんです。
先ほども話しましたが、
機会損失の恐怖ッて購買を煽るんです。
「金額+今だけ+限定」
こういうので煽るのです。
『特別金額+今日だけの価格+50台限定』とやるのです。
この金額提示のクロージングを上手く活用すると、
即決の確率がかなり高くなるのです。
私は数字のマジックを使うと部下によく言われました。
別にマジックを使ってませんが、いろんなことを総合的に考えて
お客様にクロージングする時に、活用するのです。
単純に導入金額だけではなく、
導入することで削減可能な経費は無いか?
導入メリットを金額に置き換えれないか?
導入しない場合のリスクを金額計算できないか?
いろいろ瞬間的に計算して、
それを、お客様に数字でクロージングするのです。
また、安く見せる工夫を必ずします。
大げさにならない程度の値引きをするんですが、
長く営業をやっていると、お客様と話していて決まる金額が分かるようになります。
最初○○円と話して、○○円まで最終的に落とせば決まると、
分かるようになりますし、決めきるようになってきます。
面白いのは、大阪の場合です。
まあ、値引大好きなので、「ナンボにしてくれるの?」と必ず言ってきます。
それを織り込んで、最初の料金提示を高めから設定して困った顔しながら落としていきます!
イメージ的には、コテンパンにやられました!って雰囲気を出すと
100%契約になります!
「負けて勝つ」そんな感覚です。
「社長にはやられました!利益無くて叱られてしまいます。
どっか紹介してくださいね!」と、やると嬉しそうに契約してくれました。
私の場合は、東京で長く営業していましたが、
大阪の方が取り易かったです。
良く、東京で売れても関西では売れない!って言われますが、
それは違うって思います。
西日本と東日本で、感覚が違うから多くの場合は上手く行かないだけでしょう。
出身が西日本で、花月劇場を見て育った人間なら、
大阪での営業も大丈夫!だと、私は思います。…
料金提示で、お客様が納得できるとこまで詰めて、
想定できるNOを消して、契約書を書くと自然と
印鑑が出てくるのです!
クロージングについてまとめます。
1.商談の初期でもYESがでたら即クロージング
2.恐怖心を煽るクロージングを活用する
3.軽めのクロージングを都度活用する
4.最強のクロージング『契約書を書く』
5.金額提示でクロージングする(金額は最後)
ぜひ、今日から活用ください。