1)罪悪感
『営業=悪』
「人を騙して売りつける!」
「言いくるめて買わす!」
「営業マンは口がうまい」
「営業マンはしつこい」
「営業マンは金を奪う悪人だ!」
このような、偏見というか、罪悪感というか、
良くない感情を、持っている営業マンって意外と
多いように感じます。
実際、私は大学生の時に、高額な英語の教材を売りつけられた経験があり、
営業マンに対して偏見を持っていました。
「最低、最悪な連中!」
そんな感情を持っていました。
だから、自分がその仕事についた時、心の奥底に、
否定的な感情があったのも事実です。
また、私の場合は臆病というかシャイというか、
人と会話したり接したりするのが嫌いでした。
だから、飛び込み営業なんて、苦痛以外の何物でも無かったです!
飛び込む前に、いろいろ考えてしまいます。
「忙しんじゃないだろうか?」
「怒られるんじゃないだろうか?」
「怖い人がいるんじゃないか?」
「邪魔なんじゃないか?」
などなど、飛び込む前に、いろんなことが浮かんできてしまって、
なかなか飛び込めなかった!
そんな、営業には全く向かない性格をしていました。
ただ、【自分に負けたくない】その一心で頑張れました。
人に出来ることは俺にもできる!
子供の頃から、ずっとこの考えを持っていました。
事実、どんなことも人よりも上手くできました。
というか、出来るようになるまで諦めなかった!
だから、出来るようになりました。
自分のことを、「何でもできる」っていう変な自信を持っていました。
だから、営業も他の人が売れるなら、俺も売れるって思っていました。
ただ、実際にはなかなか思うように行きませんでした。…
営業を始めて一人で回った初日の午前中に、
【営業=演技】
これに気が付きました。
だって、1件1件のお客様と面談している時間は、
ほんの数分です。
長くても30分程度でした。
そんな短時間で、俺がどんな人間かなんて絶対に分からない!
裏を返せば、その時間だけトップセールスを演じればイイ!売れるはずだ!
そう思えたんです。
まあ、天才なんでしょう!(笑)
これで、ずいぶん楽に成れました。
俺は俺でいい。
営業は演じればいいから、自分を変える必要は無い。
客先だけ演じられるようにする。
このように考えると、別に俺が営業を出来るようになる必要も、
営業を好きだろうが嫌いだろうが関係無い、
客先だけ、営業マン島田が100%トップセールスを演じればいい。
その時だけ、完璧な営業マンをやればいいのです。
まあ、気持ち的には随分と楽に成った。
演じ続けるために、トーク練習をとにかく毎晩毎晩行いました。
飛び込む前にはいろいろ考えますが、1件目飛び込むと、
営業マン島田にスイッチできたので後は苦にならない。
「仕事なんだから」と割り切って回れました。
思いっきり、営業マン島田を演じていたので、
お客さんが忙しかろうが、嫌がっていようが、怖い人だろうが、
気にならなかった。(少しは気になりましたが、…)
怒られているのは、俺じゃなくて、営業マン島田だ。
そう思えたわけです。
また、「営業マン島田」と「普段の島田」の二人がいます。
そうすると、冷静に営業マン島田を第三者的に観ていられる。
俯瞰できるんです。
1件1件の営業を、第三者として冷静に評価できるので、
これが随分とプラスになりました。
修正点がよく見えるんです。
没頭してしまうと、見えないけど、
全体を俯瞰する別の自分がいることで、
冷静に営業を演じている自分を評価して指導できました。
営業マンを演じる考え方でやることの、
もう一つの利点なんです。
営業マンを演じ、営業を仕事として行うことで、
「どう思われる」かを気にしなくなります。
実際、どう思うかなんて100人いたら100通りの解釈があるから、
いちいち気にしても仕方ないんです。
肯定的な人も、否定的な人もいます。
好きも嫌いも半分半分です。
どうせ、「営業マン島田」に対しての評価でしか無いので、
気にする必要も無いし、気にもならないんです。